5.ラオス 「HIV/エイズ」編

◆2006/03月

ラオススタディーツアー現地視察報告 ラオス「HIV/エイズ」編

HIV/エイズを未然に防ぐために、人口の1%以上の感染に及ぶと危険とされる目安があります。ラオスは未だ 1%未満の結果でしたが、感染の発生率は実際にはもっと高くなると思われます。その裏づけは隣国であるタイ、ミャンマー、カンボジア等ではHIV/エイズ感染者が1%を超えている現状があるからです。またトラフィッキングの被害者はHIV/エイズの被害にもつながっており2000年以降感染者は2倍にも増えています。これからも患者が増えることは必至であり、今こそ対策が急がれています。

 

セッタテラット病院を視察
laos_hospital.jpg病院の中に唯一 HIV感染者の身体と心のケアのための働きを行っています。感染者が積極的に社会に参加できるよう手助けするため「明るい家族」と称して2003年11月に発足しました。ここに通院するエイズ患者は145名(内病名を公表しているのは94名)です。子どもの患者は14名(内親がいない子どもは7名)です。

午前は薬の飲み方のアドバイスを受けたり、患者同士が互いに経験を話し合うことによって極度の不安を和らげ励ましあい互いを助けます。

午後は僧侶から心のケアを受けメータータン(仏教で思いやり)の心を育てます。また病気の不安を少しでも解消されるよう瞑想して心の落ち着きを戻させます。

入院室は今年の 1月11日にオープンしたばかりです。病室はがらんとしてベットが2~3台あるのみです。器材は何時揃うかも分からず、入院室としての機能を果たしていませんでした。(写真左)

 

laos_nurse.jpg5歳の男の子が肺炎のため点滴を受けています。(写真右)男の子は母親の胎内でHIVに感染しました。母親は夫が死を迎えるまで感染者であることに気がついていなかったと言います。このようにまだまだ認めたくない人、村での差別を恐れ検査を受けない人が多く子どもへの感染率を高めてしまいます。

 

★衣類工場にて「HIV/AIDS」の活動視察

laos_irui.jpg貧しい地域の若者は、ビエンチャンに仕事を求めて親元を離れます。そうした少女たちが1千人ほど働く縫製工場を視察しました。

ここでは 16歳以上の女性が働いていますが、自己申告のため16歳以下の少女も含まれている可能性はあるようです。夜遊びなどでHIV/エイズの感染の可能性が高くなるため、生活習慣を整えるためにも寮生活を基本としています。約半年ぐらいすると、より良い収入を求めて転職していきます。

この縫製工場でのユニセフの役割は、 HIV/エイズ感染予防プロジェクトとして、ラオス政府の労働福祉省とラオス貿易連盟へ働きかけ、少女たちへのワークショップ開催促進とファシリテーター養成を進めています。ファシリテーターの交通費や日当の支給もユニセフの支援によるものです。

カリキュラムは①どのような状況の人と性交渉を持つと感染するか②体のどこから出る体液が HIV感染に関係するのか③HIVに感染したとき、どのように体から出てゆくのかなどの問題を絵を使うことで、少女たちにわかりやすく、様々なパターンを検証していました。少女たちが工場を出て次の職を見つけるまでに年2~3回は行われています。

 

★HIVと生きる自助救済グループ視察

  laos_bag.jpgのサムネール画像

感染者対策(治療・健康保持・差別解消等)で無視できない大きな問題が「経済的な問題」です。経済的自立なくしては、薬も買えず療・健康保持もできません。訪問した縫製グループは、2005年11月にメンバー2人で始められ、現在7家族が参加する小さなグループでした。ユニセフと NGOメータータン(仏教用語で思いやり)プロジェクトの援助で2台の中古工業用ミシンと3台の中古家庭用足踏みミシンが置かれ、メンバーが熱心に縫製作業をしていました。工業用ミシンが足りないため技術的に未熟な部分もありますが、お祭りの市で売るなどして収入を得る喜びと、この会を広げて他の人たちも助けられるようになりたいと話してくれました。壁には出来上がった作品が飾られ(写真右)、HIVと共に生きる姿に強さを感じました。

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