3.ラオス 「教育」編

◆2006/03月

ラオススタディーツアー現地視察報告 「教育」編


laos_kyouiku.jpgラオスの教育制度は5・3・3制です。6歳から5年間の初等教育は義務教育になっていますが、教科書は今年から各自で購入(3冊24000キープ=約240円)しなければならなくなりました。購入できない家庭は古い教科書を使っています。
全ての小学校で5年生までの学級があるのは41%です。小学校の就学率は上がってきてはいますが約14万2千人以上の子どもが今も教育が受けられない状態にあります。中でも少数民族の女の子は不利な状態に置かれています。
教員の給与が著しく低いため兼業せざるをえない教員も多く、教師たちの育成も十分でありません。

ユニセフの支援プロジェクト「子どもにやさしい学校」では、生徒にとって学校に通いたい、楽しい、と思える学校づくりを行い、子どもの就学率を上げ教育の質を上げる取り組みが行われている学校を訪問しました。

 

■「子どもに優しい学校」小学校訪問
ビエンチャン市内にあるポーンホーン郡の学校でモデル校として選ばれた小学校を訪問しました。14名の先生がいます。以前は出来ない子どもであっても気に留めることなく授業を進めていましたが、今はよく子どもを見るようになったと言います。休んでいる子どもにも家庭訪問をするようにしています。このように先生たちの意識も変わり、子どもたちが学校を好きになるための工夫をします。親たちも学校に対して協力的になったそうです。他に英語教師を配置し成績のレベルアップを図ります。

 

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職員室の一角には図書コーナーがあり、自由に子どもたちが出入りし横になりながら本を見ます。
昼休みは1時間半あり、家が近い子どもは家庭に戻って食べることも許されています。
ここでの就学率はほぼ100%に近いそうです。山岳部にある学校とは様子も変わり内容も充実してきています。

 

■「僧侶による授業」中学校訪問
ビエンチャン市内にある中等科の授業を訪問しました。今回、新しい試みでスタートした授業の教師は僧侶です。ラオスは仏教国であり村に学校が無くてもお寺は必ずある、というほど僧侶の関わりが深くなっています。また、位のある僧侶は教育も受けており、人々から尊敬され、僧侶の言うことには耳を貸し従がいます。
ユニセフの者が直接講壇に立つことはなかなか許可が下りません。そのためユニセフの情報を僧侶に伝え「HIVエイズ」のファシリテーターを務めてもらっています。今回はHIVについて「性交渉による病気」はどのような態度から引き起こすか、具体的にグループごとに意見を出し合う授業を行っていました。
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